【文章力】必ずしも書きたいネタが納得いく文章に仕上がるとは限らない件
文章を書く上で、技術的なところでつまづくことも多々あるが、ネタ的につまることがそれ以上にある。
書きたいネタを書く際、納得のいく文章量や流れ、台詞回しなどを考えるとネタが空回り、最終的に駄文になってしまうことがある。
文章構成において起承転結のような全体的な構造を決め、分解し、再構成する書き方であればある程度ネタと文章のマッチングができる。
だが、特にこういったブログのような文章は、美しい文章を読んでもらいたいというよりは今思う感情や疑問をいち早く伝えたいという「ネタ第一主義」の感覚が強いため、全体像を考えるのは正直だるい。
とにかくうまそうなものをぶち込んで、うまいものを作る、そんな感覚で文章を書きたい。
でもとにかくうまそうなものをぶちこんでうまいものを作るのは至難の業で、最終的な落としどころを考えないと物凄くまずいものが生まれてしまう。(ショートケーキカレーラーメンみたいな)
素材はそれぞれいいのに、まずいものができてしまうのは勿体ない。
そんなことを考えながら漫画やら小説やら読んでいくと、素材の掛け合わせにおけるセンスを感じれるようになる。
例えば転生ものの漫画や小説。
転生ものは現実世界で一度死んで生まれ変わった世界で活躍するという話のベースがあり、それぞれの漫画や小説でそのベースに他のエッセンスを加え、物語を形作っていく。
同人からプロになるシステムである「小説家になろう」や同人とプロの境界が曖昧な「ライトノベル」ではよくある設定で、社会人経験やリア充経験がなくてもある程度話を膨らませやすい。
さらに主人公がもともと現実世界出身なのでファンタジーに比べて世界観を構築しやすく、ジャンルとして確立してまもない転生ものは近頃の流行りとなっている。
そんな転生ものの作品はネタとして転生やファンタジーに現実的要素をいかに上手く掛け合わせるかが面白さを分ける鍵になっている、気がする。
ファンタジーでもそうなのだが、転生ものも読者は当たり前に現実世界を生きる人間。
あまりにもファンタジーが過ぎるとキャラクターの言動に深みが出ずに面白みが欠ける。
逆に現実味がありすぎるとファンタジーとしての旨味が薄れ、それはそれで面白くなくなってしまう。
現実的要素のあるネタをいかにチョイスしていくか、逆にその現実的要素のあるネタにファンタジーのネタをどう掛け合わせてくかで面白さはガラッと変わってしまうのだ。
転生ものとして人気を博した「転生したらスライムだった件」は、村おこしや国づくりといった現実的要素と魔法や妖術を使ったバトルといったファンタジー的な要素を掛け合わせている。
このようにネタをどのように掛け合わせ文章を作っていくかでその文章は大きく変わっていくのだが、ネタ同士の相性の良さを考えていくのは非常に難しい。
カレー✖️ラーメンとか、ハンバーグ✖️シチューのように鉄板の掛け合わせをするのは一つの手だが、せっかく文章を書くのであればネタのチョイスには自分らしさを出したいし、ネタのチョイスや掛け合わせを考えるのが文章を書く旨味だと思うのであまり気が進まない。
こればっかりはセンスと経験なのだろうが、中々に上手くいかないネタ選びが時々文章を書くのを億劫にし、途中で筆を置かせてしまう。
文章を書く仕事をしたいのだが、このネタ選びに苦戦しそうな予感。
社会人として苦労してる今のうちに色んな経験をし、色んな感情を持ってネタのストックをたくさん持とう、そう思った。