ハッピーアイスクリーム~自由を望む2人の民~

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ストレスフリーに生きることを望むも仕事を未だ辞めることのできない情けな〜い2人の民によるブログです!ぜひご覧くださいっ!

TVゲーム派K君の華麗なる外遊び(タ)

小学生の時、K君という友達がいた。

僕のマンションの一階に住むK君。

彼は今でも付き合いのある友達で、もう20年来の仲になる。

K君は、今でこそ一人暮らしをしているので、会う頻度はめっきり減ってしまったが、それでも四半期に一回以上は遊んでいる。

K君は頭がとても良く、常に前向きに生きている。

ガリ勉というほど勉強ばっかしてないけれど、成績はいつも優秀。理知的で落ち着いた少年だった。

K君は昔から良い子が板についていて、僕のおかんは僕を叱る際、なにかとK君の名前を出しては「あんたもK君を見習って〜」とぶつぶつ言っていた。

幼稚園でのK君も小学校でのK君も、勤勉で優秀で、大人界隈では良い子と言ったらK君と相場が決まっていた。

 

みんなから愛されるK君。K君とはいつも比べられてぐちぐち言われてきたけれど、僕もK君のことが大好きだった。

最近はあんまりないが、大晦日になるといつもK君と神社へ初詣に出かけている。

 

K君はめちゃくちゃにゲームが好きな少年だった。

僕らが小学生だった当時は、ゲームをやりすぎると馬鹿になると言われていた時代で、ゲームは1日1時間までしか出来なかった。

1時間を超えようもんなら鉄拳制裁が当たり前。

今思えば僕のおかんが怒鳴り散らかす理由はいつも、ゲームを1時間以上やって勉強がおざなりになっていたからだったような気もする。

しかし、K君にはその1時間ルールが適用されない。

K君と一回遊んでゲームでボコボコにされた1週間後にK君とゲームをすると、よりボコボコにされる。

K君はゲームが上手いだけではなく、ゲームへの努力に人一倍時間をかけていた。

K君のお母さんはそもそもゲーム好きなのでゲームのやりすぎでK君を叱らない。

それに加えてK君は勉強はしっかりするし、習い事にも一生懸命だ。

だからゲームをし過ぎても叱られる要素がないのだ。

ただでさえ上手いのに努力量も異常なK君には誰もゲームで勝つことが出来ず、K君と遊ぶ時はいつもゲームで負かされていた。

 

K君と遊ぶ時は8割方ゲームをする。K君は根っからのインドア派なのだ。習い事をしているから決して運動神経が悪いわけではないけれど、外ではほぼほぼ遊ばない。今でもK君と遊ぶ時はどこかしらでゲームをする時間がある。

 

でも残りの2割はゲーム以外のこともする。僕らはいつも4人でつるんでいた。僕ともう一人はゲームも好きだが、どちらかというと外で遊ぶ方が好きだったので、K君の手を引いて公園に繰り出すことも多々あった。

K君よりも僕らの方が運動神経はよかったので、ゲームの時とは違い、普通に野球やサッカーをするとK君が負けることもしばしばあった。

でもK君は負けず嫌いだから外遊びをするからには負けたくないとやっきになる。

そこでK君は独自の遊び方を開発するのだ。

 

例えばナルトサッカーという遊びをK君が開発する。

当時流行っていたナルトのキャラクターをそれぞれが選択してそのキャラを演じながらサッカーをする。

ナルトのイタチとかをキャラ選択して「万華鏡写輪眼」と技を呟かれたら、目があった相手は数秒動きを止めなければならない。

もちろん技の制限やキャラ選択の公平さはK君が上手くバランスをとって作るので誰も文句を言わないのだが、このK君ルールが発動すると途端にK君に勝てなくなる。

狭い公園でサッカーやら野球やらをやるにおいてK君ルールを適用すると遊びが何倍にも面白くなる。

だから誰も文句を言わないし、むしろK君に独自のルールをプラスしてほしいと懇願する。

K君が勝つことが多いものの、K君のルールを上手く駆使すれば、K君に勝つこともある。

気がつけばみんな夢中になり、K君がいない時もK君ルールで遊ぶことが多々あって、いつのまにかK君ルールが学校内で流行ってしまうのだ。

 

K君は独自の遊びを生み出すこともある。

ゲーセンのコインは当時、ゲーセンに保管する今とは違って家に持ち帰って後日また使うことができた。

そのゲーセンのコインを仮想通貨とした、マリオのゲームのようなアドベンチャーゲームをK君は開発し、みんなで遊んだ。

第一面・二面とステージが進んでいき、各ステージでゲームをクリアするとコインやアイテムが貰える。

一つ一つのステージでやる遊びが違うので飽きずに楽しめた。

 

中でも画期的だったのは階段鬼というゲーム。

 

チャレンジャーとボスの二役で遊ぶゲームで、K君がボス役をし、チャレンジャーは他のステージをクリアした者がする。

チャレンジャーは幅広いマンションの階段を左端から右端へ走り、右端に着いたら一段上る。そしたらまた右端から左端へ走り一段上るを繰り返す。

ボスは往復せずに真っ直ぐとゆっくり上る。

チャレンジャーが走り始めて数十秒したらボスが始動し、捕まったら負け。

チャレンジャーはボスに辿り着くまでに集めたアイテムを使うことも出来る。

それが階段鬼。

 

この階段鬼を中心に、幼稚園〜小学生時代、マンション中の子どもがK君の作ったゲームにハマり、遊び尽くした。

当時ハマったどんなゲームよりも、K君の生み出したゲームは楽しかった。

 

与えられたもので満足するのではなく、自分で生み出して、周りの子を巻き込んで遊び満足する、そんなK君の遊び方はもしかしたら世界を大きく変えるかもしれない。

偉大な発明はK君のような発想力に特化した者から生まれる。

僕のおかんもK君ならきっとどこでもドアを作ってくれると期待している。

 

近未来はそうして現実になるのかもしれないと思いました。

 

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